互いの主張は?財務省VS文科省

みなさんこんにちは。
今日は、教育現場を揺るがしている「給特法改正」についてです。

この給特法というものは、公立学校の教員に対して時間外勤務手当(残業代)が出ない代わりに、月給に「教職調整額」という名目4%を一律で上乗せするという仕組みです。
1972年からずっと続いてきた制度ですが、最近の教員の長時間労働が問題になる中で、「4%じゃ全然足りへん!」ということで、見直しがずっと課題になっていました。

最終的に、6月11日に改正法が国会で可決・成立したわけですが、そこに至るまでにどのような話し合いが行われていたのかを見ていきましょう。

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文部科学省の主張:教員の待遇を上げよ!

文科省は、「教員の待遇を今すぐ、そして大幅に改善しないと、教育の質が落ちる!」と、強い危機感を抱いていました。

人材確保法との乖離への危機感

教員の給料は、もともと「人材確保法」という法律で、一般の公務員より優遇することになっていました。1980年には最大で7.4%も優遇されていたらしいのですが、これが年々縮まって、最近ではたったの0.35%程度に落ち込んでいました。
これでは「優秀な人が教員になりたがらへんやろ!」ってことで、文科省は過去最高の優遇幅である7.4%を上回る待遇改善、具体的には「教育調整額を今の4%から13%に引き上げる」ことを目指しました。13%にすれば、一般公務員との給与差が約7.8%になって、昔の優遇を超えられるという試算だったそうです。

中教審の答申も後押し

文科省のこの主張には、国の教育政策を決める中央審議会(中教審)も「少なくとも10%以上は目指すべき」と提言で太鼓判を押しました。長時間労働の是正と給与改善はセットでやりましょうという話だったので、文科省は給与アップだけでなく、教員の数を増やしたり、業務を減らしたりする総合的な改革も進めるつもりでした。

教員志望者減少への強い危機感

教員の長時間労働と待遇の悪さで「先生って大変そう⋯」と思う人が増えて、教員志望者が激減しています。文科省は「このままでは日本の教育がマズイ!」ということで、待遇を改善して優れた人材を確保し、教員が「働きやすさ」と「働きがい」を感じられる環境を整えるのが急務だと訴えました。教職調整額の引き上げは、教員に対する魅力を上げるための即効性のある策として考えられました。

財務省の主張:待て!まずは働き方を見直せ!

これに対して、財務省は慎重でした。「いきなりそうんなに上げてどうするの?お金だけ使って効果なかったら困る!」というスタンスでした。

効果への疑問:残業減らさないと意味ないでしょ?

財務省は、文科省の引き上げ要求に対して、「本当に業務削減と連動しているのか?」という疑問をぶつけました。中教審は「残業は月に20時間以内」を目標としたのに対して、13%は「月26時間分」に相当するらしいのです。これだと「残業ゼロの教員も26時間分の手当をもらう」ことになるので、不公平になるのではないかと指摘しました。
ただお金を増やすだけでは教員のやる気アップにも繋がらず、費用対効果が悪いと考えました。

財源と財政負担への懸念

年間5,600億円も安定財源が必要なのに、文科省が具体的なお金の出どころを示していないと批判しました。少子化で子どもが減っているのに、教員の数や人件費は減っていないから、「将来的に大丈夫?」と心配しているわけです。
財務省は「その前にやることがあるやろ!」と教育委員会の業務効率化が足りていないのではないかと苦言を呈しました。

働き方改革優先の提案

財務省は、「給料上げる前に、まず先生たちの仕事をもっと減らせ!」と主張しました。特に負担の大きい事務作業とかを徹底的に減らすのが、先生の魅力アップに繋がるという主張です。
財務省は「まず5年間くらいで残業を月20時間以内に減らす努力をしろ!」と提案して、その上で、目標達成したら毎年1%ずつ段階的に調整額を増やす、みたいな成果連動型の仕組みを提案しました。
もし残業が減らへんかったら、別のことに予算を使った方がいいとして、無条件の給与増には反対しました。

将来的な「残業代支給」への移行も視野に

財務省は、最終的には「先生たちの労働時間も、一般の会社員と同じように労働基準法に基づいて管理して、残業代をちゃんと払う仕組みにしろ!」って考えてたらしいです。まずは5年かけて残業を月20時間程度まで減らして、調整額が10%になった頃(2030年度頃)には、残業代支給に切り替えることを視野に入れました。無限に残業代を払うと財政が破綻するから、まずは業務を減らして残業を減らすことを強く求めたわけです。

つまり、財務省は「現場の長時間労働っていう根本問題を解決せずに給料だけ上げても、根本的な問題は解決しない!」と、給与アップは段階的かつ条件付きにすべきだと主張しました。

激しい攻防と、ついに合意へ!

この二つの省庁の意見は、まさに真逆だったので、2023年から2024年にかけて、政府内でも大モメにモメました。

中教審からの提言と文科省のパッケージ発表

2024年8月27日には、中教審が「10%以上」の引き上げを答申。これを受けて、文科省はすぐに「教師を取り巻く環境整備推進パッケージ」を発表して、教職調整額の13%引き上げを正式に打ち出しました。

財務省の異例の「対案」提示と文科省の反論

そしたら、2024年11月11日には、財務省が独自の改革案を提示!段階的な引き上げや、残業削減を条件にする案、将来的な残業代支給に言及する内容で、教育界にかなりの衝撃を与えました。メディアも「文科省 vs 財務省のガチンコバトル!」って大々的に報じました。
文科省もこれに反論を出して「現場への支援が足りない!給料改善を残業削減の条件にしたら、必要な教育活動までためらわれて質が落ちる!」と強く反発しました。

年末の大臣折衝で妥協成立!

年末の予算編成で、ついに両省のトップ、阿部文科相と加藤財務相が直接話し合うことになりました。そして2024年12月24日、ついに合意に達したことが発表されました!
合意の内容は、両方の言い分を混ぜ合わせたような折衷案でしたね。

  • 教職調整額は、来年度(2025年度)から5%に引き上げ、その後2030年度まで毎年1%ずつ確実に10%まで引き上げる
  • 財務省が当初求めてた「残業削減」を条件にするって話は、今回はナシ
  • 管理職の給料も調整したり、学級担任手当も月3,000円プラスされる
  • 先生の数も、2025年度に2,190人増やす!これ、過去20年で一番の増員
  • 2026年度から中学校でも35人学級を導入する方針も決まった

▼ 国会での法案成立

年明けの国会で、この合意内容を基にした給特法改正案が提出されて、与野党の修正協議も経て、2025年6月11日に可決・成立しました。 約50年ぶりの抜本改正です。
修正条項には、今後5年間で先生たちの残業時間を約3割減らして、月30時間程度にするという具体的な目標も盛り込まれました。2027年度以降の調整額の引き上げ方については、働き方改革の進捗とか財源の状況を見て、また検討するって話も入ったらしいです。これは、財務省が「ちゃんと働き方改革やってるかチェックするよ!」と、今後の見直しに含みを持たせたということですね。

今後の見通しと課題:これで終わりじゃない!

「残業代支給」への移行はまだこれから

財務省が提案していた「残業代をちゃんと払う仕組み」は、今回は具体化されませんでした。でも、財務省は引き続きその可能性を諦めてないようですし、先生たちの労働組合も「給特法自体が長時間労働の原因や!」と、法の廃止や抜本改正を求めています。つまり、「残業代が出ない」という根本的な構造はまだ変わっていないので、今後もこの議論は続くはずです。

財源確保と教育格差

給料が上がる分、どこからお金を出すのかっていう問題も続くし、自治体の財政状況によって教育環境に差が出る可能性もあります。
残業代支給に移行したらもっとお金がかかるから、安定した財源の確保はこれからも大きな課題です。

教員不足・志望者減少への対応

給料が上がれば、先生になりたい人が増えるって期待されますが、それには時間がかかります。給料だけじゃなくて、業務アシスタントを増やしたり、ハラスメント対策したり、キャリアパスをしっかり作ったり、総合的なサポートが必要ですね。

教育の質の確保

結局、この法改正の目的は、教員の質と量を確保して、子どもたちによりよい教育を提供することです。調整額アップが本当によい手段なのかも含めて、教員が「働きやすい」し「働きがい」も感じられる職場にできるかどうかを考え続けていかなくてはいけません。

まとめ

今回の改正は、50年ぶりの大きな一歩ですし、教員の待遇改善には繋がることを期待したいです。
しかし、課題は山積みですし、教育現場からは「根本的な問題は解決されていない」という声も上がっています。本来教員の味方であるはずの文科省の主張に対して、現場から文句が出ていることは残念です。
政府の中では、これからも文科省と財務省のバトルは形を変えて続くでしょう。動向に注目です。

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この記事を書いた人

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